導入事例

COREC

freee

転記自動化

フードフェス

フードフェス運営会社が COREC → freee の転記を週5時間→10分にした話

「転記だけで月曜の午前が終わる」。

あるフードフェス運営会社の経理担当の言葉です。

この会社は全国各地のフードフェスを主催しています。出店者への発注と請求を COREC と freee で管理していて、毎週のように発生する受注データを freee に手で打ち直す日々を送っていました。

転記にかかっていた時間は、週5時間。月にすると20時間以上。

それが今は、約10分で終わります。

「フードフェスの受発注」が特殊すぎた

一般的な受発注と違って、フードフェスの受発注にはいくつかの厄介な特徴があります。

1フォームに最大82商品

フードフェスの出店者は、機材や備品を主催者からレンタルします。テーブル、椅子、テント、電源、冷蔵庫、看板、ゴミ箱。飲食ブースに必要なものを一式注文する。

この会社では、イベントごとに COREC の注文フォームを作成していました。大規模なフェスだと、1つのフォームに登録される商品が82種類に達することもある。

出店者がフォームから注文を入れる。それを freee の請求書に転記する。82行の明細を1行ずつ。

イベントごとにCORECアカウントが違う

この会社は、イベントごとに異なる COREC アカウントを使っていました。「夏フェス東京」のアカウント、「秋の味覚市大阪」のアカウント、というように。

転記する側は、まずフェスAのCORECにログインして受注を確認し、freee に入力。次にフェスBのCORECにログインして受注を確認し、freee に入力。アカウントを切り替えるたびにログインし直す。

同時期に3つのフェスが走っていれば、3つのアカウントを行き来することになります。

出店料とオプション費用の請求書が別

出店者が注文する備品のほかに、出店料そのものの請求書も発行します。さらに電源のアップグレードや追加テント、看板の特注といったオプション費用も別途。

1つの出店者に対して、備品の請求書、出店料の請求書、オプションの請求書と、複数の請求書が必要になるケースが珍しくない。

料金体系が複雑

品番の変更は日常的に発生します。「やっぱりテーブルを大きいのに変えたい」「冷蔵庫を追加したい」。注文確定後の変更に個別対応しながら、金額を手で修正していく。

さらに、価格の相談対応もある。「出店回数が多いので割引してほしい」「前回と同じ条件でお願いしたい」。取引先ごとに個別の価格設定が入ると、COREC のフォームに表示されている定価と実際の請求額が一致しなくなる。

そして期限後の注文には10%増し。申込期限を過ぎてからの注文は、全品目に10%の追加料金がかかる。このルールを請求書に反映する必要がある。

協賛企業という例外

フードフェスには協賛企業がつきます。協賛企業の出店者は、出店料が無料だったり、備品の費用を協賛元が全額負担したりする。

「この出店者は請求なし」「この出店者の費用は協賛企業Xに請求」。こういった特殊なパターンが混在していて、転記する側は受注データを見ただけでは判断できない。都度、営業担当に確認しながら freee に入力していました。

週5時間。それが当たり前だった

受注データの確認、取引先の照合、明細の入力、税率の設定、日付の変換、品番変更の反映、割引の手動計算、期限後10%増しの適用、協賛企業の特殊処理。

これを全て手作業でやって、週5時間。

「少なくない?」と思われるかもしれません。実際、繁忙期にはもっとかかっていたそうです。週5時間はならして計算した平均値で、大型フェスが重なる夏場は週8〜10時間に跳ね上がることもあったと聞いています。

ただ、社内では「転記にこれだけかかるのは仕方ない」という空気がありました。COREC と freee に連携機能がない以上、手で打つしかない。そういうものだと思っていた。

自動化で何が変わったか

Saturn を導入して、転記の流れが変わりました。

COREC の受注データを自動取得

COREC の API を使って、受注データを自動で取り込みます。アカウントを切り替えてログインし直す必要がなくなりました。

マルチアカウント対応なので、フェスAのアカウント、フェスBのアカウント、フェスCのアカウントのデータを1つの画面でまとめて確認できる。「どのアカウントにログインしてたっけ」がなくなりました。

取引先の名寄せが自動

COREC の注文者名から freee の取引先を自動でマッチングします。

「株式会社○○フーズ」と「○○フーズ」が同じ取引先であることを自動判定。初回だけ「この注文者はこの取引先で合っていますか?」と確認する画面が出ますが、一度確定すれば2回目以降は自動です。

freee の請求書を自動生成

商品明細、税率、日付がセットされた状態で freee の請求書が出来上がります。82行の明細も一括。

人間がやることは「内容を確認して送信する」だけ。

複雑な料金体系への対応

品番変更は取り込んだデータ上で修正してから請求書を生成。個別の価格設定や期限後の10%増しも、データを調整したうえで反映できます。

協賛企業の特殊パターンも、請求先を変更するだけで対応可能です。

結果:週5時間が約10分に

転記作業が週5時間から約10分になりました。30倍の効率化です。

数字だけ見ると「そんなに変わる?」と感じるかもしれません。でも冷静に考えれば、人間がやっていた作業の大半は「COREC の画面を見ながら freee に同じ情報を打ち込む」という機械的な転記だった。機械的な作業を機械に任せたら、当然こうなります。

残った10分は何をしているか。自動生成された請求書の内容確認です。金額が合っているか、取引先が正しいか、特殊な条件が反映されているか。確認して問題なければ送信する。

この「確認」は人間がやるべき仕事です。判断が必要なところだけ人がやって、残りは自動化する。それが正しい姿だと思います。

浮いた時間で何をしているか

月20時間以上の時間が浮きました。

この会社では、その時間を出店者のサポートと新規イベントの企画に回しています。経理担当が転記に追われなくなったことで、出店者からの問い合わせ対応が早くなった。「請求書の件ですが」という連絡に、その場で確認して回答できるようになったそうです。

転記を手作業でやっていたときは、問い合わせが来ても「確認して折り返します」としか言えなかった。複数のCORECアカウントとfreeeを行き来して、該当の受注データを探して、突き合わせて、ようやく回答する。それが即答できるようになった。

次のステップ:入金アラートの自動化

現在、この会社から要望をもらっているのが「freee 請求書の入金アラート」です。

支払期日の1週間前になっても入金がない取引先に、自動でリマインドメールを送る仕組み。フードフェスは出店者の数が多いので、入金管理も手作業では追いきれない。

「請求書の発行が自動化されたから、次は入金の管理も自動化したい」。自然な流れです。

この事例から言えること

この事例は「フードフェス」という少し特殊な業態ですが、構造的な課題はどの業種でも同じです。

  • 注文の種類が多い(商品数が多い)
  • 取引先ごとに条件が違う(価格、支払いサイト、特殊対応)
  • 複数のアカウントやフォームを使い分けている
  • 転記に毎週まとまった時間を取られている

食品卸、イベント業、印刷会社、建材商社。業種が違っても、COREC と freee の間で同じ苦労をしている会社は多いはずです。